インド占星術の天秤座ラグナの性格や象意と実際の体験談

2022年7月5日2023年5月8日

インド占星術師のダランです。

この記事では、インド占星術における天秤座ラグナの性格や、象意・特徴を書いていきます。

実際のてんびん座の人を鑑定した私の体験談などを中心に教科書的な知識も書いていきますね。

天秤座ラグナの特徴

天秤座ラグナは、まず調和を大切にします。

天秤というのは、秤です。

 

秤は左右で重さをはかる、バランスをとる道具です。この秤と同じように、天秤座はバランスや周囲との調和を表します。

周囲との調和を図る、バランスを保つ、関係をデザインする。人と人とのバランスをとるには、人の特徴を見抜かなければなりません。

ですから、今まで鑑定してきた天秤座の人は、人に対して良く見ている感じがします。

私が気づかないところまで、「あの人はああいうところがある。あの人はこういうことを考えている」ということによく気が付いています。

また、考え方が比較的一定というか、正しくて頑固であるような感じがします。

（これは天秤座を代表するナクシャトラのスヴァーティにも見られる特徴です。）

 

風の星座かつ、活動星座でもあり、自由を求めます。

よく周囲との調和を図るとか、周囲のことを気にするあまり自分を抑えるとか、八方美人だと天秤座は言われることが多いのですが、私の経験上ではあまり周囲とうまくやるよりは、自分の考えを信じ、自分の考えに自信をもっているがゆえに、周囲とうまくやろうとする反面自分の意志はしっかり貫いている印象があります。

これは私の推測ですが、天秤座は土星が高揚する星座であることと関係あるかもしれません。

土星は、なかなか頑固な星座です。

自分を抑え、常識を重んじ、堅実にことを進めるのが土星ですが、同時に土星が強いと持続力や継続力、持久力が強くなり、芯が非常に強くなるのです。

太陽のような偉そうなプライドの高い王様、ガキ大将のような者よりも、土星の方が実は芯が非常に強いのです。

例えるなら、太陽はガキ大将で、土星はいじめられっ子です。しかし土星のいじめられっ子は実際は芯がとても強く、太陽に負けないという一心でいじめにも負けず勉強を頑張り、高学歴になって見返すような、そんな芯の強さ、忍耐力があるわけです。

また、土星は頑固でもあります。

 

土星星座は山羊座と水瓶座であり、天秤座は金星の支配する星座ですから高揚するからといって星座の特徴に土星を当てはめるのもどうなのかなと思うのですが、個人的にはやはりそういうのも少し影響するのではないかなと思っています。

そういうわけで、天秤座の人に、少しそういう頑固さを実際に触れてみて感じることがあります。

しかしその頑固さや天秤座の人がたどり着いた答えは非常に重たく、正しく、時に新しい時代の潮流を作ることさえあります。

 

逆に、天秤座は太陽が減衰する星座でもあります。

太陽は自己主張が強く、プライドが高く、誇り高い高貴な星です。そんな太陽が減衰する星座だけあって、天秤座の性質は太陽と反対と言えるでしょう。

自己主張が弱く、プライドが低く、誇りもないような、謙虚で腰が低い星座、ということになります。

自分が出る杭になって打たれるくらいなら、出ないままでいよう、というような、自分を殺して周囲との調和を図るような星座です。

これはそのまま自己否定、自分を抑える土星の特徴でもあります。

 

ここまで土星の特徴と天秤座の特徴を重ね合わせるばかりの話をしてきましたが、天秤座は金星の支配する星座です。しかも、金星がムーラトリコーナになる星座です。ですので、天秤座は土星よりも金星の特徴を多く受けています。

 

金星の特徴としては、美や美しさを象徴します。

天秤座が強いと芸術関連の力が強くなります。

私の知人は、天秤座にムーラトリコーナの金星を含む４つの惑星が集中している方がいます。その方は、大学時代は美大に行っており、絵が非常に上手で、一時期はデザイナーのお仕事をされていました。

本人も美女で、美意識が高く、清潔感にあふれた方です。

 

別の知人は山羊座ラグナなのですが、仕事の10室に金星がムーラトリコーナの状態で入っており、マラヴィアヨガになっている女性がいます。

彼女はネイリストとして過去大活躍し、現在も絵を描く仕事や芸術作品を作る仕事をされていらっしゃいます。

このように、天秤座が強いとやはり芸術関連は強くなるのです。

金星が支配する牡牛座との違い

牡牛座は金星が支配しますが、属性は地なので物質的で具体的です。

天秤座は属性が風なので、思考や抽象的なことを扱います。

この性質から、牡牛座は徹底的にキレイな一品のものを作るイメージ。

天秤座は周囲とのバランス、調和による美しさを扱う分野になります。

 

具体的には、服を作るデザイナーが牡牛座。

その作られた服をコーディネイトして着るのがモデルです。

土属性は、物、物質を担当します。そのため、服という物質を作るのは牡牛座の役目です。

天秤座は、風、思考を担当します。そのため、与えられた服の着こなしやバランス、コーディネイトを考えるのが天秤座の役目です。

同じ金星でも、このようにエレメントが違うために性質が違ってくるということですね。

天秤座のナクシャトラ

天秤座のナクシャトラは、おとめ座から続くチトラーと、スヴァーティと、蠍座と繋がるヴィシャーカーです。

スヴァーティは天秤座のど真ん中にあり、天秤座の典型的なナクシャトラであり、天秤座自体もスヴァーティの象意を少なからず持っているように思います。

 

スヴァーティの象意は、人とのつながりを求めるけれど、自由も求めるために、人と部分的につながりたがる人という象意があります。

自由と独立を愛し、束縛を嫌います。しかし、人とはつながっていたい。それが部分的なつながりになります。

人と繋がっていたいというのは、天秤座全体にそういう象意があります。

何故なら、天秤座はナチュラルゾディアック（牡羊座を1室とした考え方）で、７室になるからです。

ですので、天秤座は生来的に７室のような象意を持っているということです。

７室は人間関係を支配する室です。人間関係のバランスを持ち、人間関係に興味があり、人と繋がっていたい。それが、天秤座の象意に大きくかかわっています。

また、天秤座に典型的なナクシャトラ、スヴァーティの大きな象意として、「行動や思考はゆっくりだが、一度出した結論は賢い人が考えたそれよりもずっと正しい」という意味があり、これはスヴァーティに限らず天秤座全体的にそういう象意を感じますね。

やはり、土星が高揚する星座だからでしょうか。天秤座にとって、土星は4-5支配の最大吉星、ラージャヨガカラカになります。

天秤座ラグナの教科書的な象意

 

支配星	金星
ナチュラルゾディアック	7室
属性	風
活動性	活動
サンスクリット語	Tura(トゥラ)
英語	Libra
機能的吉星	土星＞水星＞金星
中立星	月
機能的凶星	太陽＞木星
マラカ	火星

天秤座ラグナにとって、土星は最大の吉星です。４室ケンドラで凶星の凶を失い、5室トリコーナで吉を得ており、ケンドラとトリコーナを同時に支配する土星は最大吉星となります。

天秤座にとって、土星の様な堅実さや思慮深さ、頑固さは大事でそれがラッキーに導かれるということですね。

また、天秤座にとって水星も吉星です。水星は賢く知性を操ります。天秤座は風が支配し賢く思考を操るがゆえに、水星の知性は必要な要素なのでしょう。

 

逆に、理性的な天秤座にとっては木星は機能的凶星になります。神のことが信じにくくなるか、師匠に対して尊重しつつも懐疑的になるでしょう。